(不動産)訴訟をして国有地を時効取得した事例

ご相談の内容

 所有する土地全体を利用してアパートを建築することを検討しているが、土地の一部が青地(国有地)となっていた。

 この際だから時効取得して全体を自分の所有としようと考え、関東財務局に申請したが、隣地所有者から境界の確認書がとれないので、時効取得が認められなかった。

 時効取得とは、他人の物や土地などの財産権を一定期間継続して占有した者に、その権利を与える制度である(民法第162条)。

弁護士の対応

 隣地所有者は頑なに、確認書に押印しないので、やむを得ず、国を相手に国有地の時効取得の訴訟を提起した。

 国側は時効取得の要件(長期間の占有等)や境界について争ったが、様々な証拠から立証し、最終的には依頼者の時効取得を認める判決が下された。

弁護士の所感

 所有する土地の一部が国有地となっているという例はよくあります。

 国有地であるか否かは、登記簿や公図などにより確認します。国有地を取得したい場合、払下げを受けるという方法もありますが、その場合は有償となります。

 長年、占有してきた場合は、時効取得が認められる場合があり、その場合は無償となりますので、まずは時効取得が認められるか否かを検討することをお勧めします。

 そして、時効取得の要件を満たしている場合は、一定の書類を揃えて関東財務局に申請すれば、訴訟をしなくても時効取得が認められる場合があります。

 本件のように、隣地所有者の境界に関する確認書がとれない場合は、訴訟を提起することになります。

 そもそも境界があいまいな場合は、時効取得の訴訟ではなく、まずは境界確定訴訟を提起した方が良い場合もあります。 詳しくは弁護士にご相談ください。

不動産のトラブルに関しては、不動産トラブルの弁護士相談をご覧ください。

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